8.10 「作業的に書く時間」を減らす
更新日 2021年5月16日
初学者の内は、勉強のハードルを下げるために、「作業的に書く」という学習はたくさん盛り込まれています。
例えば、英単語や漢字をひたすら書いて覚えるとか、古文の問題を全文書き写すとか、英語の全訳を書くなどです。
これらは時間を掛ければできることなので、初学者の内は、つまり勉強の入り口としてはよいと思います。
ですが中級者以上は効率が勝負になるので、全く逆の発想をしてほしいです。
少しでも考える必要のない「作業的に書く」時間を減らし、考える時間、思い出す時間、問題を解く時間を多くした方が効率的です。
ここではいくつか節約できる「書く時間」を紹介します。
一つ一つは小さいことでも、これらを全部やると相当な時間を節約できるはずです。
例えば1日20分の節約になったとすると、365日で約122時間を生み出すことになります。
英単語を覚えるときに、日本語を書く必要はありません。
日本語の勉強をしているわけではないからです。
日本語を手や紙で隠して、英語を見て、日本語の訳を頭で思い浮かべるか、声に出してから、答え合わせをするだけで大丈夫です。
日本語を書く意味は一つもありません。
学校ではよく「長文全文の和訳を書いてくるように」みたいな宿題が出てきますが、中級者以上にとっては効率の悪い勉強になります。
英語の長文で大事なポイント、特殊な文法のポイントはわずかです。そしてその大事なポイントは大体問題に設定されています。
長文の問題を解くだけで構いません。
和訳の訓練をするなら、和訳専用の問題集を演習をした方が何倍も効率がいいです。
和訳専門の問題には、和訳ならでは大事なポイントが必ず織り込まれているからです。
時間に限りがある中で、できることは限られていますので、長文の全訳をするぐらいなら、長文の問題は普通に解いて、和訳の訓練は和訳専用の問題集をやってください。
数学や理科の『問題文』をノートに書き写す人がいますが、それも時間がもったいないです。
問題集で問題を見ながら、ノートは解答だけを書くようにすると、時間が節約できます。
そもそも問題を短時間で読み、問題を理解することも一つの学習なので、書き写しながらゆっくり問題を理解するのもあまりよくありません。
問題の番号だけ書いておけば、後で見直すことは充分にできます。
現代文/古文/漢文を初めて学ぶときは、本文を丸写しして、丁寧に補足を書きながら精読する、ということがあるかもしれません。
精読自体は重要なことだと思います。
ですが、本文をノートに丸写しする時間はもったいないです。大事なのは補足を書き込むことです。
必要な人は、教科書/問題集をコピーして、ノートに貼ってしまいましょう。
例えば共通テストの日本史/世界史については、漢字を書けるようになる必要はありません。
そこで時間短縮のために、目だけで解き、頭に答えを思い浮かべ、目だけで答え合わせをし、不正解だった問題だけに×をつけておきます。
「書く」という行為はすごく時間がかかるので、これを省くだけでもかなり時間節約ができます。
この勉強の仕方であれば、バスや電車、風呂などのながら時間で勉強することもできます。
ただし初学者の内は、書いて『手で覚える』というのも一定程度は有効と思いますし、また二次試験に記述の問題がある人は、漢字を覚えるためにある程度、書いて覚えた方がいいと思います。
あくまで中級者、上級者が、復習などで大量の問題をこなす際の時間節約法と思ってください。
本コラムのまとめ
- 中級者は効率勝負。少しでも「作業的に書く」時間を節約する
- 英単語の英語 → 日本語は書かない
- 英語長文の和訳を全て書く必要はない
- 数学や理科の問題を書き写す必要はない
- 現代文/古文/漢文はコピーに書き込む
- 歴史は解答を書かずに目で解く